最近読んだ本の紹介 vol.2

情報共有システム事業部のY.Kです。
情報共有システム RevSIGNの開発を担当しています。

前回に引き続き、今回も私がここ数か月の間に読んだ本の中から、ソフトウェアの開発に関連する次の2冊を簡単に紹介したいと思います。

  1. リーダブルコード(オライリー・ジャパン)
  2. プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本(翔泳社)

個人的にはどちらも初心者には少し難しいかもですが、次のステップへ進みたい方にはお薦めできる本かなと思います。

リーダブルコード(オライリー・ジャパン)

「全プログラマ必読書!」と帯に書いてあったので読んでみました。
というのは嘘ですが、世代的に読んだことがなくて、初版から10年以上たっても名著と言われる有名な本らしいので、人にお薦めできるか気になって今更ながら読んでみました。

「きれいなコードを書きなさい」とは昔からずっと言われてきていますが、昔に比べてそのニーズは飛躍的に上がっているように感じます。

私が(以前の職場で)新入社員としてパッケージソフトの開発に参加したときは、担当のモジュールを与えられて開発作業をしていました。
そのため、元のコードが汚かろうが一度理解してしまえば何とかなっていたように思います。

しかし、最近の開発では(私が現在担当しているプロジェクトでもそうなのですが)、開発課題ごとに担当を割り振るので、開発者はシステムすべてのコードを理解してバグなく修正できる必要があります。

ソフトウェア全体のボリュームに対して割り当てられる人員の数が減ってきているのでそういうことになるのですが、おかげで他人が書いたコードを読む機会も修正する機会も増えますし、逆に自分が書いたコードを他人に読んでもらったり修正してもらったりする機会も増えているように思います。

当然きれいなコードを書いた方が人に迷惑をかけないということになります。

また業務におけるシステム開発では一般的にQCD(高品質、低コスト、短納期)が求められますが、きれいじゃないコードはこのすべてを下げてしまいます。

例えば誰かが書いたコードが難しくてそばにいる人に聞くと、2人分のコストと時間を浪費することになってしまいます。
これが積み重なると次の開発時に見積もる予算も増えるので、受託開発では次のお仕事を他社に取られてしまう可能性もあります。(分からないときに質問してはいけないということではないですよ。)

こういう点でも、「きれいなコードを書ける」という能力はプロとしてプログラムを書いている人にとって重要になります。

そんなわけでこの本は、初心者にとっては少し難しい内容かもしれないですが、与えられた機能を独力で実装できるようになって、次のステップへ進みたい方にはお薦めできる一冊だと思います。

また、「どんなコードがきれいなコードか」は経験してきた開発現場の文化に依存するところもあるので、プロジェクトごとにコーディング規約等を整備して認識を合わせる必要があると思いますが、本書はそんなときにも参考にできる教科書的な良書だと思います。

www.oreilly.co.jp

プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本(翔泳社)

こちらは職場で薦めて頂いたので読んでみました。

さすがに「基本」を書いた本なので個人的にはほとんどわかっている内容ばかりでしたが、開発のプロセスや気を付けるべき基礎的な内容が体系的によくまとまっているので、次のような方にはお薦めできると思います。

  • 社内にプロジェクトマネジメントの基礎的なノウハウがなく上司や先輩からも指導してもらえない方
  • なぜかいつもプロジェクトを炎上させがちな方
  • 社内の開発プロセスを整備、標準化して少しでもプロジェクトのリスクを下げたい方
  • システム開発におけるプロジェクトマネジメントのお仕事ってどんな感じなの?って興味のある方

普通はこの本に書いてあるような基本的なノウハウは社内で教えてもらえると思いますが(特に受託開発の会社では。じゃないと事業として成立しないはずなので)、不幸にしてそういう環境にいなくて日々苦労されている方は読んでみる価値があると思います。

逆にこれからプロジェクトのマネジメントをしようという方にとっては、実際の苦労や難しさを体験してからじゃないと、あまりピンとこないかもしれません。

開発プロジェクトは水物なのでこの本を読んだところで必ずしもプロジェクトをうまく回せるようになれるとは考えにくいですが、プロジェクトをマネジメントする立場の人にとっては必須の知識ばかりなので、もし不安があれば読んでおいて損はない一冊だと思います。

逆にこの本にあるくらいの基本的な知識がないと発注元のお客様も自分の部下も、そして自分自身も不幸になります。

www.shoeisha.co.jp

まとめ

簡単ながらも、ソフトウェア開発に関連する2冊の本を紹介させていただきました。
もし紹介した内容に興味を持っていただき、これらの本が皆様にとって何らかのプラスになることがあれば幸いです。

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