中途で入ってきてマネージャーとしてやっていくために

こんにちは。KENTEM第1開発部のukです。

実はワタクシ中途入社のため社歴としてはまだ数年で、同じ部内の他のマネージャーは少なくとも10年以上のベテランであり、KENTEMでは駆け出しの新米マネージャーです!

このような状況下で、「社歴浅いのに管理タスクって難しくないですか?」とよく聞かれることがありますが、実はそれってそこまで難しい話ではなく、他社でもマネジメント経験があればあとは慣れの問題であると考えています。マネージャーとして意識しなければいけないのはそれよりも、どうやってメンバーたちから信頼してもらえるかということだと思っています。

とりわけ、自分よりも先に入社していてそれなりに経験のあるプロパー社員から信頼してもらうこと、頼られることって簡単ではないのではないでしょうか・・・。私の場合、何社か経験してきたため、これまでにも同様の壁にぶち当たったことがありましたが、KENTEMではどのようにしているのかということについてお話したいと思います。

まず彼らの経験値は素直に認め、そこから己も学べ

新卒新人入社の人でも5年も経験を積めば、その会社のことや業務知識は体系的に備わってくるものです。それを他所からやってきてすぐの人が上から目線で見下すということは、まずそもそも人としてあり得ないと私は思っていますし、KENTEMは礼節やマナーを大切にする会社ですから社内風紀からも逸脱する行為だと認識しています。(正直、そういうことを大切にしない会社も世の中にはいっぱいありますが・・・)

そんな彼らが得てきた経験を有難く共有させてもらい、まずはそれらを習得することが第一歩だと考えて行動しましょう。

自分の経験を注入する余地はないか?

次のステップとしては、吸収させていただいた社内のやり方に対して、それを活かしつつも自分の経験をフィードバックする余地はないかを探っていきます。ここで大切なことは、「それを活かしつつ」ということであり、それを否定することなく、社内の今までのやり方と自分の理想と考えるやり方の融合の路線を見出すことかと思います。

具体的には、私はバックエンドエンジニアの立場として入社しましたが、

  1. SaaSやPaaSの使い方は把握できているが、インフラについてあまり知識がない
  2. DBの操作をO/Rマッパーに任せきりで直接操作していなかった
  3. 単純な処理なので簡単に解決できるはずだが、.NETアプリで敢えて高度な処理を実装してしまう

という辺りに注入の余地があると感じました。

1つ目については、従来通りSaaS / PaaSを使ってもらうことはもちろん良いのですが、 その背景とかメリットデメリットを教えてしっかり理解してもらえるようにします。そういうことが分かった状態で使っていると応用もききますし、デメリットに引っかかってしまうケースにおいてはどうしたらいいのか調べ、考えるようになるので、出来上がるシステムアーキテクチャのクオリティも上がります。

次に2つ目について、O/Rマッパーの利用は便利なケースが往々にしてありますので活用してもらうことは構わないと思いますが、「O/RマッパーがあればSQLを書けなくても良い」ということではない ということです。プログラムとDBとの間のいわゆる「O/R インピーダンスミスマッチ」を埋めるための仕組みがゆえに、どうしてもO/Rマッパーだと性能が犠牲になってしまうケースが出てきますが、そういうときにはやはりSQLを直接書ける必要がありますし、そもそもO/Rマッパーを利用しても内部的にはSQLが発行されているわけで、DBに対する操作の挙動は理解しておくべきではないでしょうか。

最後に3つ目ですが、主に利用している.NETアプリについてのコーディングスキルは高いと感じました。ただ、その一方、単純なスクリプトで解決したり、それをバッチ処理として運用することは少なく、全て.NETプログラミングで解決を試みようとする傾向があるように感じました。偉そうに(?)言う私も若いときはそうだったと思います・・・。これについては、自分の引き出しを増やすこと、増やした引き出しを自在に使えること、理屈だけではなく反射的にそう考えるようになることに尽きるのかなと思いますが、やはり「1つの方法に囚われずにあらゆる方法を探ってみる」という意識を常日頃から持ってもらえるといいですね。

以上、振り返ってみると、背景を知る・適材適所な方法を探るという点でこれまでの経験を発揮できる場所は多分にあったと思っています。その経験をフィードバックして彼ら自身が習得するためのサポートをしてあげることで、若い人たちも成長できると同時にこちらもいろんなケースで頼ってもらえることにつながると考えています。

社会人経験から得た人間力

会社が中途採用を考える際、会社は何を期待するでしょうか?技術職であればもちろん、その募集に見合った技術的スキルを持っているかということは不可欠でありますが、コミュニケーション能力はしっかりしているか、論理的な思考ができるか、意欲・忍耐力はあるか、その人が入ったら周囲にどういう影響を及ぼすのか、といった言わば人間力が、それも社会人経験年数相応のレベルが当然要求されるはずです。

少し昔の資料になりますが、2003年に内閣府より「人間力戦略研究会報告書」*1というものが出されました。 この報告書の中で、

人間力に関する確立された定義は必ずしもないが、本報告では、「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義したい。

具体的には、人間力をその構成要素に着目するならば、

① 「基礎学力(主に学校教育を通じて修得される基礎的な知的能力)」、「専門的な知識・ノウハウ」を持ち、自らそれを継続的に高めていく力。また、それらの上に応用力として構築される「論理的思考力」、「創造力」などの知的能力的要素

② 「コミュニケーションスキル」、「リーダーシップ」、「公共心」、「規範意識」や「他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高め合う力」などの社会・対人関係力的要素

③ これらの要素を十分に発揮するための「意欲」、「忍耐力」や「自分らしい生き方や成功を追求する力」などの自己制御的要素

などがあげられ、これらを総合的にバランス良く高めることが、人間力を高めることと言えよう。

とあります。古い資料となりますが、言及していることは現代でも求められることであると思っています。 KENTEMで働いている状況に当てはめて落とし込んでみたのが下記となります。

報告書から日頃の業務シーンを想像して

この左下「X」を持った人間であってほしいと私は考えます。私が中途採用に関わるとすれば、技術的スキルが高くとも、ここが欠落している応募者は正直採用したいとは思いません。前述の通り、技術力さえあればという会社であればともかく、KENTEMはそうではないので、採用したところで周囲への影響という点でプラスには働かないだろうと思います。少なくとも、「技術力さえあれば対人スキルなんかいらない」と考えている人と私は一緒に働きたくはないです。

KENTEMの若い社員がそういう人間にならないように、まずは自分が社会人として培ってきた経験値から、仕事の進め方や立ち振る舞いでそれらを示すことで感じ取ってもらえるように行動していますが、なんとなく感じ取ってもらえている感覚もありますので、彼らの成長を見守っていきたいです。

まとめ

と、ここまで書いてきて、「当たり前のことしか書いてないじゃないか!」というツッコミも聞こえてきそうですが、世の中の中途入社の方で実践できている人って少なくとも多数派ではないと思いますし、受け入れる方も素直でないとなかなか実現しないんじゃないでしょうか。KENTEMはその点素直で人間性の優れた人が多いため、実践しやすい環境であったというのもあります。やはりこういう環境で仕事ができると幸せだし、長く働き続けることが苦にならないのではないでしょうか。


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