クラウドサービス(AWS)のコストを削減してみよう

クラウドサービスの請求額をみて「高いなぁ」と感じたことはありますか?
先月と比べても微増だし、円安の影響もあるし仕方ないとスルーしていると、気付かぬところで大きな損失を被っているかもしれません!

そこで今回はAWSのコスト削減で最低限ここだけは押さえておくべきポイントを紹介します。

ジョブに適した料金モデルの使用

基本的にはオンデマンドインスタンス(実行するインスタンスに応じて、コンピューティング性能またはデータベース容量に時間もしくは秒単位で支払うタイプ)ですが、Savings Plans やリザーブドインスタンスと呼ばれる1年もしくは3年利用することをコミットする代わりに割引が適用される料金モデルを使用することで大幅なコスト削減をすることができます。

EC2に関しては、まず Savings Plans を検討しましょう。

Compute Savings Plans や EC2 Instance Savings Plans 等のタイプが存在し、制約(適用サービスやインスタンスタイプ)が多く、契約期間が長い程大きな割引を受けることが可能です。
Compute Savings PlansはEC2 だけでなく Fargate や Lambda にも適用され、インスタンスファミリーやインスタンスサイズに関係なく適用されるため、最も柔軟性が高く幅広く割引の恩恵を受けることができます。

RDS に関しては、リザーブドインスタンスを検討しましょう。

大半のDBサーバーは24時間365日稼働しますので、予め1年もしくは3年分の契約することで大きな恩恵を受けることができます。
ただし、データベースエンジンとインスタンスファミリーを後から変更することはできません。
安定稼働していて求められるスペックに大きな変動がないケースでない限り、3年契約は慎重に検討した方が良いです。

上記以外のサービスにおいても、DynamoDB のリザーブドキャパシティや Amazon Elastic Cache のリザーブドキャッシュノードなどコスト削減可能な料金モデルが存在します。
利用しているサービスを再確認し、料金モデルを変更することでコスト削減ができないか検討してみましょう。

適切なストレージクラスを利用する

Amazon S3 は、ほぼすべてのサービスで使用していると言っても過言ではないオブジェクトストレージサービスです。
長期間運用しているといつの間にか無視できない割合を占めているケースが多いです。

まずは S3 の使用状況を分析しましょう。

Amazon S3 Storage Lens はオブジェクトストレージの使用状況とアクティビティの傾向を可視化することが可能です。
最適なストレージクラスを選択するために、保存されているオブジェクトの特性をしっかりと把握しましょう。

適切なストレージクラスを検討しましょう。

S3には様々なストレージクラスが用意されています。

  • Standard:頻繁にアクセスされるデータ(標準)
  • Standard Infrequent Access:データの取り出しに料金が発生するが Standard よりも低料金
  • Glacier Deep Archive:データの取り出しに時間がかかるが最低料金

アクセスパターンが予測できない場合、アクセス頻度に基づいてアクセス層を自動的に変更してくれる Intelligent Tiering というストレージクラスも存在します。
こちらはパフォーマンスを落とすことなく自動的にアクセス層を移行し、簡単にコスト削減を図れそうに見えますが、アクセス有無を判定するためのモニタリングコストが発生します。
また、128KB未満のオブジェクトは移行対象外となっていますので、やはりデータ特性をしっかりと把握することは必須になります。

上記以外にもストレージクラスはありますが、保存したいデータの特性を把握し適切に設定することで、コスト削減を図ることができます。

まとめ

AWSコスト削減において最低限押さえておくべきポイントを紹介しましたが、最も効果的なコスト削減は不要なリソースを削除することです。
定期的に不要なリソースが存在しないか確認し、こまめに削除する習慣をつけましょう。

また、AWS Cost Explorer も日々確認し、毎週・毎月のコスト構造を把握することも大切です。
将来的にコストが増加しそうなサービスを把握することで、事前に手を打つことも可能になります。

コスト削減は成果が数値でダイレクトに見えるので達成感が大きいです。
地道にコツコツとコスト削減作業を積み上げていきましょう!

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